健康野菜“菊芋”

今、話題の菊芋はごぼうと同じキク科の野菜です。イモではなく、デンプンをほとんど含みません。 「健康野菜」「スーパーフード」と言われるのは、水溶性食物繊維「イヌリン」の含有量がダントツに多いからです。乾燥菊芋の約60%をイヌリンが占めており、野菜の中でも含有量はトップクラスです。

菊芋は加工品がおすすめの理由

菊芋の収穫期は11月頃~3月頃までと期間が限定されています。

菊芋は生のままだと天然の「イヌリン分解酵素」が働き、時間とともにイヌリンが分解されてしまいます。だから、新鮮なうちに乾燥加工して、チップや粉末、菊芋茶、サプリメントなどにして摂取するのがおすすめです。保存性が高く手軽に摂取でき、健康成分をしっかり取り入れることができます。

イヌリン【水溶性食物繊維】の働き

1. 血糖値の上昇を穏やかにする

水溶性食物繊維は、水分を含むとゲル状になって、余分な糖質やコレステロール、塩分などを包み込み、吸収をブロックします。その結果、血液中に吸収される糖が減るので、血糖値の上昇が穏やかになります。

人の体内にはイヌリンを分解・吸収させる酵素がないので、たくさん食べても血糖値に影響しません。

2. 善玉菌のえさになり、善玉菌を増やす

イヌリンは、腸に運ばれると「フラクトオリゴ糖」に分解されて、ビフィズス菌など、善玉菌のえさになります。

3. 便を軟らかくして、スッキリを応援

食物繊維の中でも不溶性食物繊維は便のカサを増やし、腸を刺激することで便秘解消に役立ちます。

一方、水溶性食物繊維は便を軟らかくして、便を出しやすくしてくれます。便秘解消のためには、不溶性と水溶性の2種類の食物繊維をバランスよく摂ることが必要です。

菊芋の素晴らしさは「イヌリン」だけじゃありません。

ミネラル・抗酸化物質も豊富です。

《亜鉛の働き》

  • インスリンを分泌するすい臓や、インスリンそのものの働きを助けたりします。
  • 肌の新陳代謝を促します。
  • 男性機能を応援したり、男性ホルモンや女性ホルモンの分泌や働きもサポートします。

《セレン/ポリフェノールの働き》

「抗酸化作用」があります。

  • 亜鉛は、老化やがんの原因ともされる「活性酸素」ができる前段階で、それを抑制する作用をします。
  • ポリフェノールやセレンは、できてしまった「活性酸素」を直接分解する作用をします。

《カリウムの働き》

ナトリウム(塩分)の排出を促します。

『菊芋』が健康野菜といわれるのは、たっぷりのイヌリンと豊富なミネラルの相乗効果が期待されるから。
いいこといっぱいの『菊芋』を、毎日の食生活にプラスしましょう。